家族信託

 近年人気?なのが家族信託です。
家族信託は、本来、生前から自分の財産の管理を受託者に委ねるものですが、その仕組みの影響で、生前の財産承継方法、死後の財産承継方法、場合によっては死後の財産管理方法にも使えるため、使い勝手の良さという側面はあるかと思います。

 ただ、「家族信託は万能」という考えは持つべきではないのではないかと思います。
従来からある他の制度によっても基本的には終活は可能ですし、家族信託は決して万能なものではありません。

 時折、家族信託によって生前の意思を確実に実現できますというような宣伝文句を聴くことがありますが、残された遺族が亡くなった方の意思を尊重すれば、遺言書であろうが、家族信託であろうが実現できますし、残念なことに尊重するつもりがなければ、遺言書であろうが、家族信託であろうが実現は難しいものです。

 家族信託は、あくまでも終活の1つの手段としてお考えください。

 当事務所のスタンスとしては、家族信託についてはこちらからは基本的には提案をいたしません。
家族信託のご希望があった際に、まずは家族信託を希望される理由、ご家庭事情などのお話を伺い、家族信託がベストな方法なのかを一緒に検討させていただき、最終的な判断をご相談者様にしていただくようにしております。

〈家族信託が適していると思われる例〉
・ 判断能力が低下していないが、財産管理は相続人等に委ねたいケース